糖尿病って薬を飲んでおけばいいんじゃないの?
・糖尿病の治療はその原因を取り除くことが重要です
・2型糖尿病では、生活習慣因子を如何に改善するかが大切となります
・薬だけでは治療が不十分となる可能性があるでしょう
「血糖値を下げるには薬しかないんじゃないでしょうか」
「血糖値は薬を飲んでおけばいいんだよね」
さて、それでよいのでしょうか?
ここに、その答えを示唆するグラフがあります。
(J Diabetes Investig. 2014 Sep; 5(5): 581–587.より引用)
JDDM研究という、日本で行われている多施設共同研究のものです。
・縦軸にHbA1c(血糖管理の指標)
・横軸に年代
が示されており、(あくまで登録された症例での話ですが)年を追うごとに、血糖管理が改善してきていることがわかります。
しかし同時に「経口血糖降下薬を複数使用している症例の平均HbA1cは一般的な目標値であるHbA1c7%を達成していない」ということがわかります。
・血糖管理が良好なほど単剤であり、多剤になる症例は管理不良であって当然
・多剤併用でも血糖管理がよくなれば、経口血糖降下薬を減らす
ということはあると思いますが、
「薬剤だけでは一般的な管理目標値であるHbA1c7%を切ることは確実ではないかもしれない」ということも言えそうです
治療の原則はその成因、因子を取り除くことです
そして、治療の目標はただ改善させるだけではなく、目標を達成して、効果が現れてくるものでしょう
当然、適切な時期に適切な薬を使うことも大事であることは言うまでもありませんが、
糖尿病の多くを占める、生活習慣因子が主体の2型糖尿病では、食事・運動・体組成等の生活習慣因子を是正することがやはり大事であると言えそうですね