大動脈解離で偽腔閉塞と開存を分ける意味
大動脈解離において、偽腔開存型は偽腔閉塞型に比べて、生命予後が不良であり、より緊急性・重症度が高い
ウンテン:「大動脈解離で偽腔の開存と閉塞を区別するのは何故ですか?」
オーベン:「それは、”生命予後”が異なるからだよ。また、合併症の発生率も違う。だから、治療方針も開存と閉塞では異なるんだ。開存は閉塞より緊急性が高いとイメージしておくべきだよ。」
ウンテン:「わかりました、大動脈解離は緊急性が高い疾患ですが、偽腔が開存している場合はさらに慎重に対応すべきということですね。」
詳細はガイドラインを参照にて
偽腔は真腔ではない。従って、分枝動脈から臓器への血流供給は真腔で維持されることが多い(Vasc Endovascular Surg 2011; 45:219. J Thorac Cardiovasc Surg 2015; 149:1081.)
偽腔が開存しているということは「さらに偽腔が進展・拡大し真腔を圧迫し、臓器虚血が出現する」リスクが高いことを意味する(Ann Thorac Surg 2012; 94:1223. J Vasc Surg 2015; 62:900. J Jpn Coll Angiol, 2010, 50: 147–150)
実際に生命予後にも差がでている報告がある(Eur J Cardiothorac Surg. 2004 Aug;26(2):359-66.Circulation . 2003;108[suppl II]:II-300-II-306.Jpn Circ J. 2001 May;65(5):359-63.)
エビデンスとクラスとガイドライン
Evidence-based medicine(EBM)という言葉が、注目されてから久しいですが、この「エビデンス」という言葉と関連のある、クラス、ガイドラインと合わせて、個人的に臨床で気をつけていることを記したいと思います。
○エビデンスレベルをもとに臨床における推奨度をクラスわけして、示したのがガイドラインである
○言葉の定義はACC/AHAガイドラインを基準とすることが多い
(http://my.americanheart.org/idc/groups/ahamah-public/@wcm/@sop/documents/downloadable/ucm_319826.pdf)
○ガイドラインはあくまで、臨床”指針”であり、絶対的なものではない
○ガイドラインは“ガイドライン作成時点での”ものであり、“変わりうるもの”である
○言葉の使いかたに注意する「エビデンスがない??」
有害なエビデンスがある →Don’t(控える)
有用なエビデンスがない →今後、レベルが変わりうる可能性がある
そもそものStudyがない →今後、レベルが変わりうる可能性がある
上記を意識することが重要。つまり、有害なエビデンスがある以外は有用な可能性が残されているこということ!
○エビデンスレベルの落とし穴
専門医の意見は、エビデンスがないのではなく、エビデンスレベルが低い(のであって、低いエビデンスはあるのである)
Level of Evidence C ; Consensus opinion of experts
○クラスは推奨度であり、レベルはエビデンスの度合いである
Classification of Recommendations
Level of Evidence
クラスとエビデンスの組み合わせが様々な理由は、その時点でレベルの高いエビデンスがないあるいはレベルの高いエビデンスを示しにくい状況(特に致死的になりうる急性期病態など)でも明らかに推奨されるべきものもあるためであり、逆もしかりだから。したがって、例えば、LevelCでもClassⅠなどはありうる
あとひとつ そのてのさきに くいがある
食べ過ぎ、飲み過ぎ、要注意
あとひとつ、あと少し、その気持ちをぐっとこらえて
口にいれずに、冷凍庫に入れて保存しましょう
食いがある
けど
悔いがある
ということで
おすそわけ、おおもり、おかわり とうにょうびょう
お食事で注意したい第2弾
意識せずとも、実は行なっている食事習慣
普段の診療で、特に気になっているキーワードを上げてみました
参考文献)特になし
おまんじゅう、せんべい、くだもの とうにょうびょう
いわゆる間食は1日の総カロリー、しいては総炭水化物(≒総糖質)を上げ、血糖上昇に寄与します。
その、代表的な食べ物を挙げてみました。
特に果物は、「体によくて、血糖値を上げるものとしては考えていなかった」といった声が多い気がします。
食品交換表で示されているように、果物は Ⅰ群表2、すなわち「ビタミン(C)を豊富に含むが、炭水化物主体の食べ物」であることに注意する必要がありますね。
(糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版)
たちあがる、ただそれだけで、とくをする
糖尿病の治療において、運動療法はその核をとなるものですが、現実は厳しいものです
推奨される運動療法(中強度~高強度の運動を1週間に150分以上)を10人中9人は行えていない、すなわち、実施率が10%という報告もあります(Duvivier BM, et al. Diabetologia. 2016 Dec 1.)
そこで、米国ではアメリカ糖尿病学会(ADA)が、「Get Fit Don't Sit」キャンペーンを展開しています(American Diabetes Association: Prevent type 2 diabetes, join inaugural National "Get Fit Don't Sit" Day Alexandria, Virginia:May 4, 2015:ADA)
これはつまり、“座っている時間を少しでも減らそう”というメッセージです
①日本では1日の座位時間の平均は420分/日である(Am J Prev Med. Aug 2011;41(2):228-235)。これは実に起床時間の半分を座っている換算になる。
②座位時間が長いと、2型糖尿病リスクが91%上昇する(Ann Intern Med. 2015;162(2):123-132.)
③身体活動量の指標であるMetsを参考にすると少し立ち上がって動くだけで、2倍以上の活動量になる(国立健康・栄養研究所 身体活動のメッツ表(http://www.nibiohn.go.jp/files/2011mets.pdf))
これらからも、まずは座っている時間を減らすという意識づけは有用と考えられます