エビデンスとクラスとガイドライン
Evidence-based medicine(EBM)という言葉が、注目されてから久しいですが、この「エビデンス」という言葉と関連のある、クラス、ガイドラインと合わせて、個人的に臨床で気をつけていることを記したいと思います。
○エビデンスレベルをもとに臨床における推奨度をクラスわけして、示したのがガイドラインである
○言葉の定義はACC/AHAガイドラインを基準とすることが多い
(http://my.americanheart.org/idc/groups/ahamah-public/@wcm/@sop/documents/downloadable/ucm_319826.pdf)
○ガイドラインはあくまで、臨床”指針”であり、絶対的なものではない
○ガイドラインは“ガイドライン作成時点での”ものであり、“変わりうるもの”である
○言葉の使いかたに注意する「エビデンスがない??」
有害なエビデンスがある →Don’t(控える)
有用なエビデンスがない →今後、レベルが変わりうる可能性がある
そもそものStudyがない →今後、レベルが変わりうる可能性がある
上記を意識することが重要。つまり、有害なエビデンスがある以外は有用な可能性が残されているこということ!
○エビデンスレベルの落とし穴
専門医の意見は、エビデンスがないのではなく、エビデンスレベルが低い(のであって、低いエビデンスはあるのである)
Level of Evidence C ; Consensus opinion of experts
○クラスは推奨度であり、レベルはエビデンスの度合いである
Classification of Recommendations
Level of Evidence
クラスとエビデンスの組み合わせが様々な理由は、その時点でレベルの高いエビデンスがないあるいはレベルの高いエビデンスを示しにくい状況(特に致死的になりうる急性期病態など)でも明らかに推奨されるべきものもあるためであり、逆もしかりだから。したがって、例えば、LevelCでもClassⅠなどはありうる