a brilliant donut

医療を中心とした、話題を。いつか、どこかで、誰かの役にたてば幸いです。

AIと人間

仕事中、ふと、「将来は病院の看護の領域にもAIが関わってくるかもしれない」という会話をききました

 

AI

 

artificial intelligence

 

すなわち「人工知能」です

 

 

 

 

AIと仕事の関係が、一躍、注目されたきっかけとなったのは下記の論文のようです

 

THE FUTURE OF EMPLOYMENT:HOW SUSCEPTIBLE ARE JOBS TO COMPUTERISATION? Carl Benedikt Frey and Michael A. Osborne September 17, 2013)(http://www.oxfordmartin.ox.ac.uk/downloads/academic/The_Future_of_Employment.pdf)

これによると、

ガウス過程(gaussian process classifier)を用いた方法で、

・米国における702の職種が、コンピューター化(computerisation)される可能性を分析した

ところ、

 

「将来的に47%の仕事がコンピューター化される可能性がある」という結果でした

 

具体的な職種は上記論文Appendixに具体的に記載されていますが、それをみてみると、2つのことがみえてきました

 

1.コンピューター化しやすい仕事がある

 

 コンピューターがコンピューターたるためにはプログラムが必要ですので*プログラミングが容易で実行しやすい仕事がコンピューター化しやすいということになります。機械作業で行われている工場での大量生産みたいなものでしょうか。そして、AIとなると、さらに複雑なことでも対応できるようになるのかもしれません。

 一方で、計算式では表せないこころ的側面や、新しいものを生み出す創造的側面はプログラミングが難しいかもしれません。

 

 2.内容が多岐にわたる職種の場合は、その内容によってコンピューター化されるものとされないものがでてくる

 

 1つの仕事でもその内容が単一ではないことがあります。看護の仕事を例に挙げると、1.で述べたように体位交換・食事・排泄介助などは比較的プログラミングしやすく、心に寄り添うケア的側面は難しいものとなりそうです

 

いずれにしても、AIに取って代わられるといようなネガティヴな考えではなく、

・精神的・肉体的負担が強いがプログラミングが可能な部分はAIとしての強みを生かし、

・コンピュータ化しにくい”こころ(心情)”と”創造(Innovation)”を必要とする部分で人間が活躍する

ような、win-winである共存社会は1つのかたちかもしれません

 

参考文献)

*Silberschatz, Abraham (1994). Operating System Concepts, Fourth Edition. Addison-Wesley. pp.58.ISBN 0-201050480-4.

〜血糖値を診る〜

血糖を診る場合も、通常の”系統的診療”の原則は変わらないと考えます。

 

つまり、そのエッセンスは、

 早期診断早期治療

 緊急性と病態を意識する

ことです。

 

医師になりたてのころは、血糖値がまったく”見えず”、どこに注目し、どう考え、どう行動していいかわかりませんでした。

 

実際に勉強をつみ、実臨床を経験したことで、ようやっと””みえて”きました。

 

系統的診療の原則の流れの中で、どのように”血糖値を診ていく”か、記載していきます。

~診療は常に同じ流れで対応できる①生理学的病態学的アプローチの礎~

 研修医になりたてのころ、いつも緊張の中にいたことを覚えています。

 

「本当にこれで、よかったか」

 

「しっかりと診療できただろうか」

 

「状態が悪くなったらどうしよう」

 

「見落としはないか」

 

 学生の頃の知識はあくまで、紙の上でのこと。

 いざ、目の前の患者さんにとなると、不安ばかりがつのっていました。

 

 このような僕の漠然とした不安に、1つの道筋を示してくれた機会がありました。

 それはJTCR(日本外傷診療研究機構)が開催している「JATECTMコース(http://www.jtcr-jatec.org/index_jatec.html)」でした。

 

 このコースは

・適切な処置を施せば助かると推定される外傷死亡(PTD, preventable trauma death)を減らすため、

・生理学的・解剖学的な系統的アプローチを行い、

・外傷診療の質を向上させる

 ことを目的としています。

 

 この生理学的・解剖学的なアプローチがヒントになりました。

 

 病態に基づいた、生理学的・解剖学的なアプローチは外傷の患者さんのみならず、患者さん一般に適応できる考えです。

 

 自分はこの考えに基づいて診療を行うようになってから、診療の質が格段に向上し、また、早期認知・早期対応ができるようになり、不安も少なくなったように思います。

 

 ここでは、そのような系統的アプローチを自習と経験を踏まえて、自分なりにアレンジした方法を記述していきます。