~診療は常に同じ流れで対応できる①生理学的病態学的アプローチの礎~
研修医になりたてのころ、いつも緊張の中にいたことを覚えています。
「本当にこれで、よかったか」
「しっかりと診療できただろうか」
「状態が悪くなったらどうしよう」
「見落としはないか」
学生の頃の知識はあくまで、紙の上でのこと。
いざ、目の前の患者さんにとなると、不安ばかりがつのっていました。
このような僕の漠然とした不安に、1つの道筋を示してくれた機会がありました。
それはJTCR(日本外傷診療研究機構)が開催している「JATECTMコース(http://www.jtcr-jatec.org/index_jatec.html)」でした。
このコースは
・適切な処置を施せば助かると推定される外傷死亡(PTD, preventable trauma death)を減らすため、
・生理学的・解剖学的な系統的アプローチを行い、
・外傷診療の質を向上させる
ことを目的としています。
この生理学的・解剖学的なアプローチがヒントになりました。
病態に基づいた、生理学的・解剖学的なアプローチは外傷の患者さんのみならず、患者さん一般に適応できる考えです。
自分はこの考えに基づいて診療を行うようになってから、診療の質が格段に向上し、また、早期認知・早期対応ができるようになり、不安も少なくなったように思います。
ここでは、そのような系統的アプローチを自習と経験を踏まえて、自分なりにアレンジした方法を記述していきます。